「リオー?撮影ないのに、どうしたの?」 顔を上げると目の前に、大きな瞳で瞬きをする妃の姿があった。 「あ…うん。何か妃の顔みたくなっちゃって」 無性に妃の声がききたいと思っていたら、足が勝手に【Flower】の撮影があっているスタジオに向かってしまっていた。 「どーしたの?…とりあえず、控え室行こっか」 ニッコリと笑う妃に、少しつられて曖昧に笑った。