氷悠は軽く頭を下げた。


「すみません、そろそろ行きます」

「ああ、ごめん。引き留めてしまった」

「いえ、では」



青年と距離ができてから、氷悠は首から掛けていたサファイアのペンダントを空中に投げると、それは雀へと姿を変えた。



「七火、空の居場所を探れ」



氷悠の指示を受け、雀は城の中へと消えていき氷悠も資格更新のため、城の中へ入った。



天井にはやはり蒼竜が浮かんでいた。



「蒼竜、か」



ここに来るまで、蒼竜という存在がここまで大きいとは思いもせず、氷悠はそれを暫く見つめていたが興味をなくしたように、その場から立ち去る。