青年は驚いた顔をし、それから微笑んだ。


「まさか、あの空守に会えるとは。君は将来有能な資格者になるだろうね」

「そんな事ありません。あなたは騎士ですか?」


見ればわかるのだが、敢えて氷悠がそれを聞けば、青年は嫌な顔ひとつせず答えてくれた。


「ああ、そうだよ。空様専属の騎士をしている」

「空様?」

「蒼空帝国の姫君だ」



――なるほど



名前さえ知れば、後はどうとでもなる。