それだけ言うと、滝井さんは立ち上がり、 「じゃあ…。」 バーから出て行ってしまった。 ちょ、ちょっと…。 帰っちゃったじゃない。 あたしまだ何も言ってないのに…。 残されたあたし達は顔を見合わせた。 「全部わかっていたみたいだね。」 ポリポリと頭を掻く横山は少し戸惑っているみたい。 「だね…。」 あたしも戸惑いを隠せなかった。