土曜の終電間際って事もあり…電車の中は程良く混んでいて、ドアの真ん前にもたれ掛かっていた俺は…
窓ガラスに反射した自分の顔を見て、思わず目を逸らした…、
疲れきった顔は…若者とは程遠く、生気すら感じない。
ちゃんと、未来に向かって進んで行ってる親友に焦りを感じたり
人の幸せを妬(ねた)んだり…
年だけ重ねて、体だけ大人になって行く事の情けなさ
今日1日で、色んな事が一気に押し寄せて来た…。
何で、俺だけ前に進めないんや!?
違う…。
もう…あの日から進めてないんや。
立ち止まって、後ろばっか振り返って…
やっぱり…一歩、前に踏み出す勇気がないんや。
『情けなっ、ほんまに情けない!!』
電車を降り、駅から少し離れた
家の近所のコンビニの隅にもたれて
人目もくれず、声を出して泣いた。
【悔し涙】
空に逢えない辛さや寂しさで流れた涙じゃない。
ロクに約束のひとつも守れない、自分の不甲斐なさに出た涙。
『ッッツ……。』
――コトコトッ
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