ガチャ……



「シャワー…ありがとう。」


空のスウェットを身にまとった花が、戻って来た…




もしかしたら俺は、自分で自分の首を絞めているのかも。




わざわざ花に、空のスウェットなんか着せて

自ら、空を思い出す様な事なんかして

精神的な自虐でしかない。




「光…?」


ふと聞こえた声に、思わず過剰に反応した…



『えっ?あ…な、なに?』


「うーん―…、泣いてたのかな?って…」



心配そうな顔をして、心配そうに聞いて来る花が

嫌みなくらい…空と被る。





『そんな事ないで!てか、俺もシャワー浴びて来るわ〜。ベッド使って良いから、先に休んどき!!』





――………





湯気で曇った鏡の向こうに

君を見ました。



手の平で曇りを取ると、更にハッキリと姿が露わになり


自分の顔と自分の声で、零れ出した気持ちに無理やり蓋をした。








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