――…

―――……



ピロロロロ〜〜♪



日付が変わる少し前――。

相変わらず暇な店内を見渡すと、カウンターに腰を下ろして
居眠りをする蓮さんが目に入る。



普段、バイト中は携帯を見ない俺も、居眠りする蓮さんの姿を見ていたら、少しくらいサボってもいいかな?なんて気分になり、携帯を手に取った。




━着信*瑞希━




『…瑞希?』




今日は…夫婦揃って、何の用やろ?


瑞希が電話をして来るなんて、1年に一度あるかないか位の確率。

そんな瑞希まで、俺に何の用なんやろ――。




ピッ―…。




『…もしもし?!』


「あっ、坂本くん?久しぶり〜元気?」


『久しぶり!いきなり、どないしてん?!』


「今日、大和が行ってるやろ?ちゃんと、仲良くしてるかな?って心配なって電話しただけ!!」


『来てる来てる!!やけど、今バイト中やから帰ったら話があんねんて!!何の事か知ってるん?』


「そっか!知ってるけど、大和に聞いて!!それじゃ〜」



大和も素直じゃないから、すぐ変な意地張るけど、何だかんだ言って一番坂本くんの心配してるみたいやから、たまには坂本くんも甘えてあげてよ♪



なんて、付け加えられてから切られた電話は

プーップーッて、規則正しい機械音だけを残し



『…蓮さん!!起きろーっ!!』





.