封筒の中に入っていたのは、空が健也さんから貰った

あの指輪。

触ると、元気になるって、いっつも空が言っていた

あの指輪。




便箋の所々に出来ている、乾いた水玉模様は…俺の涙の痕じゃない―…。




『書き忘れって…。』



俺からしたら、そこが一番重要なんやけど!!

せっかちな所が…やっぱり空らしい。





『成田さん…?』


「…ん?」



俺が、手紙を読んでる間…ひたすら黙っていた成田は

俺の呼びかけに、柔らかい表情を向けて来た。




『今日は、わざわざ来てもらって…ありがとうございます。それに、コレも…わざわざ届けてくれて、ありがとうございました。』


「君は、幸せになるんだよ?」


『…え?』


「空の願いを叶えられるのは、君しかいないんだよ?それに、今まで辛い思いをして来た分…君は幸せにならなきゃいけないんだよ?何か困った事があったら、いつでも頼って来い!!」


『ありがとうございます。』



もし、空が生きてたら…この人が俺の義兄になってたのかな?とか考えると…

腹が立つ反面、それも悪くないかな?って思った。





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