『で…、その…告白とかしたんですか?』
遠慮がちに聞くと、フッと軽く口元を上げて
「したよ?だけど、フラれた。誠二の事は、そう言う目で見れないし、好きな人がおるから無理!!って、キッパリ言われた。まさか、実の弟だとは思わなかったけどね。…最初は―…」
そこまで言うと…一瞬にして、部屋の中に沈黙が広がり
重い空気から逃げ出したくなった。
「初めて聞いた時…正直、気持ち悪いって思った…。空想の世界じゃあるまいし、まして…血の繋がった姉弟なんて、有り得ないって…そう思った。」
“気持ち悪い”
きっと、それが普通の意見だと思う…。
俺だって、違う立場だったら…そう思ったかもしれない。
やけど…、目の前で言われると
やっぱり、傷つく―…。
『…………。』
「まぁ、それは昔の話だから、そんな顔すんなー。それに、僕も相当しつこい男だったらしく、それでも空の事が好きだったし。」
どさくさに紛れて、何気に告白してるよ。この人―…。
ちょっと…ってか、結構ムカつく。
『…俺に言われても困るんですけど?』
「君も、素直じゃないね?そんな所までソックリ」
なんて、笑われる始末。
『良く言われますが、何か?』
大体、大きなお世話だっつーの!!
「別に?」
見た目の上品さからは想像がつかないくらいに、嫌〜な笑い方をする成田に
何故か、嫌な気分にならないどころか、安心感に似た感情を覚えるのは…
何でやろ―…?
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