「空と初めて会ったのは…今から6年くらい前だったかな?僕の部署に彼女が配属されてきてね。最初見た時は、なんて無愛想な子だろう?って思ったよ」
正直…出会いとか聞きたくないけど…?
俺の知らない空を知れるなら、黙って聞こうと思った。
「会社の中にいても、友達なんて作らないし、いっつも人を寄せ付けないオーラを出しててね…僕は、そんな彼女に興味を持ったんだ。だけど、何回誘っても返事どころか…視線さえ合わせてもらえなくて、ムカつく女って思ってた」
『ぷっ…、あはははは』
「ん?何が可笑しいんだ?」
『空らしいなって。』
昔から…仲の良い人には、優しいけど
良くない人には、とことん無愛想な空。
自分から、仲良くなろうとか、友達になろうとしない内向的な性格やからか…
地元にだって、沢山友達がいた訳じゃない。
「空らしいか……。今思えば、そうかもね。だけど、空が初めて誘いをOKしてくれるのに、一年もかかったんだよ?」
『長っ!!』
「でしょ?」
そう言って、苦笑いをする成田の顔が
少しだけ赤くなっているのは…
きっと、気のせいなんかじゃない。
「それから…どんどん仲良くなって、食事に行ったり、休みの日に2人で出掛けたり、お互いの家に行き来して泊まったりする様になって…気がついたら、空の事…好きになってた。」
『…泊まり?』
「残念ながら、男女の関係は一切ないよ?手すら繋いだ事ないのに。」
なんや…。本気で焦ったんやけど!!
『良かった―…。』
マズっ!!思った事が勝手に口から…
「ふっ…、正直だね。君は」
『えぇ、俺の空に変な手で触られたら困るんでね。』
「若いっていいな〜。」
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