テーブルの上に置いた珈琲が、ゴトッて音を立てて…静かに響く中

男の向かい側に腰を下ろした。



『…どうぞ。』


「あっ、頂きます!それより、君の顔をゆっくり見るのは久しぶり…。」



そう言うと、何故か遠い目をして細めた。




『…あの、どこかで会いましたか?』


やっと、確信をつけれる!!



「あるよ。1回目は、海ちゃんの結婚式」


君は、気付いてなかったけどね。そう付け加え

少し間が空いた後…再び言葉を繋げた。



「2回目は……、空の葬儀の時だよ―…。」


『…そーだ―…。あの時、オカンと話してた人や!!』



火葬の時…、何やらオカンと話し込む1人の男がいた。

その時の男が…この人や――。




「そーそー。思い出した?」


『て、海の結婚式にもおったんですか?そんなに…うちの親と仲良かったんや…?」


「ふっ」って鼻で笑う様な声を出し

「君、頭悪いでしょ?」なんて言い出す始末。




『あぁ!?何やと、オッサン?』





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