蓮さんも、大和も、雪も
口を揃えて言った言葉…
[辛くなるだけ]
って意味が、ここに来て…嫌って位に思い知らされた―…。
『ムカつく―…。』
――…
―――……
行く宛てもなく、フラフラと歩いていると
さっきまでオレンジ色だった空が、濃いブルーに変わり…黒みを帯び始めていた。
暗くなった空とは裏腹に、ネオンの光りを眩しいくらいに放つ繁華街には、色んな人がいて…
何でアイツみたいな奴が死なないで…空が死ぬんや―…。って、人が横を通り過ぎる度に思った…。
沢山の人で溢れた“この街”の何処かに、空がいるかもしれない
これだけの人がおるんやから、きっと何処かに空がいる!!
そんな、有り得ない事を考えながら…夜の街を歩いていると…
「光…?」
突然、後ろから聞き慣れた声が聞こえて来た。
――振り返ると、
ネオンの光りが反射して
漆黒の髪は、更に艶を増し
長身の身体から伸びた四肢に…
それを強調させる細身の体格と
オシャレに服を着こなす男が
ボケーッと突っ立っている。
「お前、休むなら連絡くらいしろや!!てか、こんな所で何しとん?」
それに、その格好…何?
そう付け加えて言ったのは、客の女と腕を組んで歩く蓮さんで…
『忘れてた……。』
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