空のブレスレットと交換していると
海が後ろから声をかけて来た。
「兄ちゃん？さっきはゴメン…。」
『うぅん。俺こそゴメン…。』
「これ…、姉ちゃんの鞄。」
そう言って、空の鞄を差し出して来た。
中を見ると、財布とか化粧ポーチとか
女の子らしい鞄の中に
淡いピンクの封筒が目に入った。
『海？お前が言ってた手紙って…これ？』
「せやで…。」
良く見たら、封筒の真ん中に
汚い字で[光へ]って書いてある―…。
『空？字…汚いで…？てか、帰ったら勝手に読むから。嫌やったら早く起きろ…。』
ジーパンのポケットに手紙を押し込み
今度は、空の携帯を手に取った。
携帯を開くと、事故の衝撃で電源が落ちたのか
真っ暗なディスプレイ。
『真似すんなー。』
何故か、俺と同じ色違いの携帯―…。
こんな些細な事で、俺の心臓は温かくなるんや
ダメ元で電源ボタンを長押しすると
『ついた―…。』
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