――…

―――……


『はぁー…。』


「お前さ〜、さっきからタメ息ばっかウザイ!!」



いつも通り、カウンターの一番端に座って
呑気に脚を組み換えながら、明らかに嫌そうな顔で蓮さんが言う。



『すみません。』


「明日、雪とか止めろよ?」



いやいや、8月の真夏に雪なんか降る訳ない。





[絶対に行くから]

空から電話があった日から
ずっと、頭の中でリピートされてる
空の声――。



正直…楽しみ3割、不安が7割。



意地とか、決意とか、プライドとか
そう言ったモノも、空を目の前にすると
簡単に崩れ去って来た。



そんな俺が、普通に姉弟として
空に逢えるのか?

笑って、空に逢えるのか?




「光…?」


考え事にふけっていると、再び蓮さんの声が耳に届いた――。




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