ある日の晩――。
隣で裸のまま眠る花をよそに
蒸し暑さからか、なかなか寝付けずにいると…
ブーッブーッと、携帯の震える音が響いた。
『こんな時間に…誰や―…』
暗闇に浮かぶ、蛍光のデジタル時計に目をやると
ちょうど日付が変わった事を告げている時間。
携帯のディスプレイには
登録されていない番号が映し出されていて
時間的に出ようか躊躇ったものの…
一向に鳴り止む事のない着信に、通話ボタンを押した。
ピッ―…。
『も、もしもし…?』
「………。」
電話に出たのはいいけど…
受話器の向こう側は、無音に等しい。
『イタズラ電話!?切りますよー?』
こんな時間に無言電話が来たら
誰でもイタズラって思うやろ?
もちろん、俺もその一人。
受話器から耳を話、終了ボタンを押そうとした
その時―…
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