そんなやり取りをする中…
ぞろぞろと女達が入って来て、横田が手を振る姿から、あの子達か…と、嫌でも分かる。
向かい側に一列、こっち側も一列。
どこからどう見ても、いかにも“合コンです!!”って空気が嫌や。
これまた、貴史と一緒で…
1人盛り上がる横田に、思わず他人のフリをしたくなった
「自己紹介しよ〜!!」
三十路手前のクセに…ノリだけは、いつまで経っても学生気分。
一緒にいて恥ずかしいんだよ!!
なんて、思いながらも…気付けば、俺の番になり
軽く自己紹介をした。
始まってから、早30分…
今すぐにでも帰りたい俺は、誰かと話す事もなく
ひたすら、目の前に置かれたビールに手をつける
『はぁー…。』
「お前さ〜、いっつもタメ息ばっかやな〜?何か悩みでもあんのか?相談のってやんで?」
聞こえない様にタメ息をついたつもりやのに
隣に座る横田には聞こえていたらしく
珍しく真顔で喋って来た…
『横田さんに言ったら、10分後には会社中に知れ渡っちゃうじゃないですか!!嫌やわ。』
「俺、信用ねぇ〜」
『ありませんね。間違いなく。』
「ほんまに可愛げがない!!大船に乗ったつもりでドーンと来いや!!」
そう言って、自分の胸元をバンバンと叩く横田に
『沈没するがな。』
なんて、ほんまに可愛げのない事を言う。
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