彼は、あたしよりも年上だ。何かの理由で、学園に来なかった彼は、二年からやり直しらしい。



年齢は、知らないけど確実にあたしよりも上なのは確かだろう。



「あの……」



素直にあたしは、入り口に向かう。



「アンタか……確か、同じ」



「はい!同じクラスです」



緊張して声が大きくなる。



「同じクラスで、席は、あたしの隣の隣です」



関係ない事までベラベラ話してしまう。


それでも、彼はイヤな表情をせずにあたしの言葉を聞いてくれた。



「アンタ、ゲームは?」



「え?ゲーム」



「するのか?しないのか?」



「一応します」



「なら、明日からここに来てくれ」



彼は、そう言って出て行った。急ぎらしく、廊下で走る音が聞こえたのだった。