Kさんのが、俺よりも遥かに人気だ。そのKさんに言ってもらえるのは、普通に嬉しいって思う。



二人の身長は、あまり変わらない。だから、歩くスピードもあまり変わらない。


「俺よりも、Kさんのが、人気じゃないですか。乙女ゲーム今流行ですし。俺も、今度やるんですけど……」



そこまで言って口を抑えた。あれは言うべきじゃないと思ったからだ。



声を聞けば、大概分かる。だけど、年齢制限があるゲームだから、あまり言いたくはなかった。



まだやった事がない上に、演技がうまいKさんには言えない。



やり方なんてましてや、聞けない。



だから、空き教室で一人で俺は練習していた。見つかってしまったけど……



でも、きっと言わないだろう。彼女は……なんとなくだけど、俺は思った。