何度蹴ってもなかなかゴールに入らない。
「空、あの時を思い出すんだよ。
陸上で全国で優勝した時のこと。
あのときみたいに、走ってよ。」真奈が走りながら言ってきた。
そしたら体中に鳥肌がたって、このサッカー区域が 一瞬だけトラックに見えた。
だよね。あたしが言うのも変だけど、
あたしはチータ。ここで負けちゃいけない。
「チータ!負けんなあ〜!!」高と聡先生の声が聞こえた。
遠慮して走れって誰が言った?無理していいって誰が言った?
自信持って良いのに。
どこかで押さえてる自分がいた。
誰が言ったの?
それはこの私。
遠慮しないでいくよ。あの時みたいに。
ただ真っすぐに。