「プレゼント…じゃないけれど、これ…。」
私はいつも使っているシャープペンを
渡した。
先生に渡したい。
先生を好きになってから、買ったから
結構使いこんでる。
「え…今まで使ってきたんだろ?
ある意味、思い出のシャープペンじゃ
ねえの? 」
先生はシャープペンをじっと見ながら
言った。
「先生に持っててもらいたい。
今まで…先生には元気をもらってきた
んだ。だから…先生に持ってて
もらいたい。」
先生は、恥ずかしがって下を向いている私の顔を覗き込んで、頭を撫でてくれたんだ。
「 じゃあ、俺も何があげなきゃな。」
先生はしょっていたリュックから
筆箱を取りだした。
「これ、高かったから、長持ちでさ。結構使ってる。多分、去年の…沖縄で買ったやつかな。」