美瑠『今日はありがとう』
空も暗くなってきたから、かなた君に特別寮の敷地まで送ってもらった。
かなた「ううん、俺が誘ったからこちらこそありがとうね?」
美瑠『ぢゃ、またね?』
かなた「ばいばい、気をつけてね〜」
美瑠『もう寮の敷地内なんだから心配いらないよ〜!!』
そう私は叫んで、寮に入って行った。
今まで2人でいて、とたんに1人になったからだろうか、
私1人しかいないエントランスや
1人のエレベーターや
1人で歩く廊下
そんな些細な事が辛くて、
今日初めて知った事実が改めて蘇ってくる。
今は1人。
こんな重い事実を1人で考える事が、これまでも辛いとは、かなた君といた時には気づかなかった。
かなた君は私にとって、loveではなくlikeだけれど、感謝しなければいけないことがたくさんある。
次に私がしなければいけないのは、
私の‘過去’という名のパズルの‘恋愛’の部分のピース。
このピースを探すには、まずどうしたらよいのか。
翔や陸、隼斗に直接聞いたら、話すだろうか?
そんな不安や心配、それからまだ半信半疑である過去の事実。
これから、
私の知らない過去の時間
について、もっともっと事実が暴かれてくるのかもしれないけれど、私は時間を取り戻す。
私の人生に私が知らない時間があるなんておかしいもの。