あの事件の時は目隠しされてたから顔が見えなかったけれど、今近くで良く見ると随分と可愛い顔してるよ。
童顔という感じでもないんだけど、男らしいさを残しつつも美少女を超えた美少女って感じ。
茶髪のショートヘアがふわふわして繊細な髪の毛をしてそうで、
目はくりくりで薄いブルー、
でも、やっぱり身長は高いな。
軽く175cm程度はある。
男の子にしておくには勿体ない!
女の子だったらモデルさん超えてるよ!
絶対女装させたら女の子と間違えるよ。
ツインテールとか凄く似合いそうだよ!
「着いたよ?・・・聞いてる?」
美瑠『あっ、うん。』
空き教室の扉を開けておいてくれたり、優しいところもあるんぢゃない。
まぁ翔には到底敵わないけどさ、と心の中で呟いてみたりする私。
それに、条件でなくなく付き合ってあげてるだけで、いくら可愛いからって私は引っ掛からないんだから!
「でね、明日のことなんだけど、11時に駅前の時計台の前に待ち合わせでもいい?」
美瑠『うん、わかった。ねぇ、名前とか教えてくれないの?』
名前を聞かなきゃ、名前を。
「え?自己紹介してなかったっけ?」
美瑠『え?私、聞いた覚えないけど。』
「そっか。ぢゃあ自己紹介するね?晴海かなた、研究科の1年生の16才、好きな飲み物はメロンソーダとコーラかな」
美瑠『な、なんかさ、あの事件時とキャラが大幅に違くないですか?』
かなた「これが本当の僕。男はギャップだよ」
そう言ってニコッと笑顔を見せてくる。
私は条件のためにかなた君と一緒にいるんだ。
この子は私と翔を引き裂こうとしているんだ。きっとそのはず。
ぢゃなきゃ、こんな条件出さないはず。
はぁ、胸がキュンキュンしちゃうとこだったよ。
危ない危ない!
美瑠『あ、私も自己紹介した方がいい?』
かなた「美瑠ちゃんのことならなんでも知ってるから大丈夫だよ。」
嘘だ!嘘つき!
なんも知らないくせに、さっそく彼氏ぶっちゃって!