───ガタガタガタ



遥華「ゔぅー、どうやって開けるんだろー!!」



私の知らぬ間に遥華は私の手首を引っ張りながら、大きな扉の前に立っていた。



美瑠「ねぇ、駄目だよ!!莉奈助けなきゃっ!!」



自分の世界から抜け出した私は、とっさに莉奈が頭に浮かんだ。



遥華「莉奈の喧嘩の強さは並大抵なんてもんぢゃないくらい凄いから大丈夫。それに隼斗達もいるから何かあったら守ってくれるはず。」



周りの喧嘩を見渡すと、いつの間にか隼斗もいて、何故いるのか理由は不明だが黒崎君もいる。

どこもかしこも喧嘩、喧嘩、喧嘩で。

私は考え事なんてして自分の世界なんかに入ってなんかいられない現状だと改めて思った。


床に目を向けると、そこには倒れた人や鉄パイプなどの残骸もたくさんあるけれど、何より血が・・・赤い、血が・・・。


今まで匂いなど意識していなかったからか、血を見た瞬間血の独特の匂いが鼻をかすめて、それから頭痛というより、何かが頭に強くぶつかるような痛みに襲われた。


そして次の瞬間…


───バタン


血のすごい匂いに何故か頭が痛くなってたのとクラクラするのとで、意識が遠のいてく。



遥華「み、る!?みる、みるーーー……──」



遥華の声を最後に私は意識を手放した。



そして、
─夢の中に入り込んだ。