陸「俺等にナメてかかっても負けるって知ってるよな?」


そう言って陸は男2人を鉄パイプで殴った。

そのおかげで私達は男から解放された。


でも、鉄パイプで殴られただけで男の子がダウンするわけなくって。


「ぁあ?昔と違って俺等は強くなったんだよっ!!」


金髪ボーイも陸に殴りかかる。
あっさり避けられてるけど。



陸「お前等この部屋から出なって!危ないよ。」


陸の言葉は今の放心状態の私には聞こえなくって。



美瑠『・・・みんなが言ってる“昔の”俺等って何?・・・』


私が小さく呟いた声に陸は反応したけれど、無言で目も合わせてくれなかった。



そんな時、私の言葉を聞いてなかった遥華は、


遥華「美瑠!?ほらボーっとしてないで早く!!」



と、叫ぶように言って、突っ立っている私の手首を思いっきり引っ張った。



何で?何で無言なの?
何で反応したのに無視なの?
何で目も合わせてくれないの?
何で…教えてくれないの?

私達に言えない“何か”があるの?


きっと隠しているんだ。
その“何か”を。

その“何か”がきっと、“昔の俺等”なんだ。




私が呟いた時の陸の顔は、暗い何かを思い出したような悲しい顔だったから。



まだ陸達3人の隠していることが何かははっきりわからないけれど、何か暗い過去があった気がして。



知りたくても、陸達3人の傷を無理矢理えぐるような真似はしたくないと思った。


そう思ったとき思い出した。
1週間付き合うはずの名前も知らないアノ男。


本当は陸達3人の秘密を誰かからこっそり教えてもらうなんてゆう汚い真似はしたくない。

裏切りと言っても決して過言ではないような行動。



聞きたい衝動を抑えたいけれど、アノ男の存在を思い出してしまった以上、きっと次会った時に聞いてしまうかもしれない。
陸達3人の秘密だと知っていても。