遥華「きぁー―――!!」
私に叫ぶ力なんてない。
金髪ボーイ、サングラスボーイ…今までに比べたら大したことない。
「シー…。ちょっと向こうの部屋に行くだけだからね?」
そういって金髪ボーイとサングラスボーイはヒョイ、と私達を持ち上げた。
今ある力を振り絞って暴れても男の人の力にはさすがに勝らない。
美瑠『・・・翔!!』
結構な人数の男の人達の中心に翔・・・と莉奈!?
翔は360゚どこからともなく襲いかかってくる、拳や足、鉄パイプや金属バットを、避けては蹴り飛ばし、避けては殴り、避けては投げ技をかけたりしている。
見た感じ……無傷。
なぜ莉奈がどさくさに紛れて、喧嘩に参加しているのだろうか。
莉奈は、襲いかかってくる男を敵から奪ったであろう金属バットで殴ったり、足で…急所…を蹴ったりと、なかなか強い。
あの人数をたった2人で相手してるのは強い。
でも、敵をいくら倒しても、外の扉から次から次えと敵が入ってくる。
卑怯だ。卑怯すぎる。
私は男に抱えられながら、喧嘩を目の当たりにしている。その間に男は広い部屋の壁側を歩き、奥へ奥へと進んでいた。
その時。
───バッコンッ、ガッタン
またもや騒音が響いた。
男の抱えられた中から身をよじり、入り口付近に振り向いてみると、
そこにはバイクにのった陸が入り口から飛び出てきた。
そして綺麗に着地。
ブーンブンブン、とエンジンを鳴らして威嚇しているのか何をしているのかは謎。
私達に気付いた陸は、バイクに乗ったまま私達の方に向かいながら敵から奪った鉄パイプでバイクに向かって襲いかかってくる敵を無惨にも顔面を殴る。
真面目に鼻の骨折れちゃってるんぢゃない?、と心配してしまうくらい。
そしてバイクは私達を抱える男2人の前に真横に止まった。
陸「まさかその女2人に汚い手で触れてなんかないよな?」