美瑠『・・・ねぇ、どういうこと?詳しく教えて』



「え、知らないの?いいよ、言える範囲ならいくらでも教えてあげ、───」



───ガッチャン



大きな音が大きな部屋全体に響き渡った。



でも目隠しされていて何が起こったのか分からない。



遥華「………!美瑠!!」



この声は明らかに遥華だ。

でもよりによって来たのが遥華ぢゃあ、危害が加わったら大変。



美瑠『遥華!?駄目だよ!女の子が来たら!』



「黙ってっ!!今、全部ほどいてあげるから!!」



扉が開いているのか、喧嘩の鈍い音や鉄パイプや金属バットのぶつかる音が更に大きく聞こえる。



恐い・・・その感情のみ。


音が良く聞こえるせいで恐くて体が震える。


もちろん意識がとびそうだからっていうのもあるかもしれない。


足も手も紐はほどかれて、自由。


遥華「よし、おっけー!!」



遥華の声と同時に目隠しされていた布もほどかれた。


あれ、あの男はどこへやら。
何故かいない。
どこに消えたのだ?

翔の昔?喧嘩してた頃について詳しく教えてもらうはずだったのに…。

とことん謎多き人物だな…。



遥華「美瑠、立てる?」



そう言われて立とうとしても足に力が入らない。



遥華「ぢゃあ、よいっしょ。これで歩ける?」



美瑠『うん、ありがと。』



遥華が肩を貸してくれたおかげで何とか立てた。



美瑠『、ごめんね…』



遥華「今はそんなこと言ってる場合ぢゃないでしょ!!後で説明してもらうから」



少しずつ少しずつ扉に向かって歩行く。

広い部屋の奥に私はいたから扉が遠かったりする。少しずつ歩いてるから。



それにしても…扉が外れてますね?

まさか遥華が?…んな訳ない、んな訳ない、はず。


扉まで着いたのはいいけど・・・前に立ちはだかるのは、金髪ボーイと黒髪サングラスボーイ。



「可愛らしいレディちゃん、」

「簡単に帰れるなんて」

「「思ってないよね?」」