───キーンコーンカーンコーン
4時限目終了のチャイム。
今日は職員会議があるらしく、もう授業は終了。
お友達にバイバイと手をひらひらと上げながら、いつもと同じ翔との待ち合わせ場所に向かう。
昨日は、翔に例の女の子が誰なのか聞けなくって、寮の自分部屋に鍵を閉めて込もって1人考えた。
その結果、うん、聞くことにしたのさ。
やっぱり私達はカレカノ関係な訳で、秘密はよくない。
だから、帰りながらか部屋に戻ってから、どっちでもいいから絶対にきちんと聞くと心に決めたんだ。
そう…翔に聞くと決めた。
けど、そんなのは必要なかった。
──『きゃっ』
黒い影に気付いた時には、もう遅かった。
振り返った瞬間、視界に入ったのは──鉄パイプと数人の人影。