“ガチャン”


美瑠『ただいまっ!!』


普段通りに平然を保たなきゃっ!


美瑠『きゃっ!!』


後ろからいきなり抱き寄せられた。


翔「なにしてたのかな?」


軽い上目使いで、子猫のように可愛い声を出して聞いてくる。


美瑠『お、お友達の寮で遊んでて気付いたらこんな時間に……』



翔「ふ~ん?……」



翔は私から身体を離して、不機嫌な顔をこちらに向けてきた。


ば、バレてないよね?


べ、別に浮気とかぢゃなくて男の子の友達と話してただけなのに…

っていっても、泣いた時に胸借りちゃったしな…。


でも、変な冷や汗と罪悪感で胸が破裂しそう…。



翔「電話しても出ねぇし、莉奈と遥華も知らねぇって言うし…これからはちゃんと電話くらい入れろ。」



心配してくれたんだ…。

自分がまだ捨てられてないことに嬉しく、心が晴れてゆく…。


今、流れそうなのは嬉し涙。

翔が浮気してないと確定したわけぢゃないけど、まだ心配をしてくれているという安心感が生まれた。



私…

翔に捨てられるわけではないなら、翔の浮気くらいへっちゃらかもしれない。

我慢出来るかもしれない。



翔「聞ぃてんのか?」


美瑠『あっ!!ごめんごめん。聞いてるよ?』


翔「ならいいけど。」


美瑠『ねぇ~、翔。翔は私のこと、どのくらい好き?』


気付いたら、口から勝手にこんな言葉が出ていた…。