私の視界に映ったのは、翔と1人の女の子が普通科女子寮のある道に進んで行く姿。
翔は真っ直ぐ前を向いていて、私の位置から表情を伺うことはできない。
でも、一緒にいる女の子の横顔は楽しそうに微笑んでいた。
そして、女の子が翔に向ける瞳は愛しい人を見つめるキラキラと輝いた優しい瞳だった。
そんな2人を見て、私と翔が付き合ってることを知らない絵理子は興奮状態。
絵理子「…る?…美瑠?…聞いてる?大丈夫?」
美瑠『えっ!?あっ、ゴメン。だ、誰だろ~ね~!?』
絵理子「涙…出てるよ…。」
美瑠『う、そっ……。』
手を頬に当てると、瞳から涙が流れていた。
美瑠『ごっめん。ちょっと絵理子と話してたら、涙が出ちゃうくらい面白くってさ。』