会長と聖が親子の縁を切ったのは中2の時だった。


切る前からもよくうちの施設に預けられていたの。

だから本当にうちの施設に入るのが決まるのは早かったわ。



その時から聖は涙を見せていなかったの。
自分がよくもわからない人のところに養子に出されていることにも、
会長が愛人をつくっては切り離すことを続けていることにも
聖は怒らなかった。
というか、無反応に近かった。



そのまま、高校に行ってそこで美雨ちゃんと出会ったの。


それからかな、聖の笑顔が増えたのは。」

「……え。
あたしですか?」


緑おばちゃんはニコッと笑いまた話はじめた。