病院に着き、名前を言うと病室に連れていかれた。 ―ガラッ― ドアを開けると、柚莉や陸と知らないおばさんと ベッドに横たわって頭を包帯でぐるぐる巻きにされ、管のいっぱい付いた聖がいた。 聖を見ていると 「あなたが美雨ちゃん?」 と声がした。 声を発したのはおばちゃんだ。 「はい。 あの、あなたは?」 「あたしは、雨音緑〈あまねみどり〉。 緑おばちゃんって呼ばれてるから美雨ちゃんもそう呼んで?」