弘樹くんへ

初めてお手紙書きます。きっとこの手紙が最初で最後になるんじゃないかと思っています。自分のことだから、よく分かるの。


私ね、弘樹くんと出会えてよかった。入学式の日、私久々の学校だったから、凄く緊張してて、靴箱を探してたとき、弘樹くんが来て、『ここじゃない??』て開けてくれたんだよ。覚えて…ないよね。でも、それから弘樹くんのことが気になってて、あのとき、告白した。嬉しかったよ。まさか付き合えるなんて思ってなかったから。


恋ってすごいね。少しのことがきっかけで、こんなにたくさん好きになれる。


私はもうすぐいなくなる。でもね、弘樹くんは、まだまだ生きていける。ううん、生きていてくれなきゃ困る。だからね、私のことは忘れて。きっぱり忘れて、また違う人を好きになって。私に申し訳ないとか思わなくていい。弘樹くんが幸せにならないと、安心して天国に行けないよ。


私たちカップルの決まりごとは、『弘樹くんが私を忘れること』。守ってね??じゃないと、別れるからね!!


愛してるよ。短い間だったけど、幸せにしてくれてありがとう。
私は星になるから。弘樹くんとプラネタリウムで見たような目立つ星じゃないかもしれないけど、精一杯命を燃やして輝くような、そんな星になりたいな。


奈々より