プラネタリウムはがらがらで、人がとても少なかった。

けど、奈々ちゃんは辺りをキョロキョロ見渡しては、目を輝かせていた。この様子からいくと、プラネタリウムは初めてなのかもしれない。



「大人2人」
千円札を一枚だして、200円のおつりを受け取った。


俺達は中に入って、中央の席に座った。
薄暗い部屋の中を、奈々ちゃんはまだキョロキョロしていた。その姿があまりにも面白くて、


「プラネタリウム、初めてなの??」

奈々ちゃんは小さく頷いた。しかし、薄暗いためどんな顔をしているのかわからなかった。


「俺、すっごく久しぶり。星とか好きなの??」


「大好きです。キラキラしてて…。」


そうかあ。星が好きなのかあ。文学少女っぽい雰囲気なため、星がなんだかとても似合う。


ジーっ
映画館のように、開始の合図が鳴り響いた。