はぁ……、なーんか今日は疲れたなぁ……。何もかも弘樹のせいだ。うん、そうだ。今度絶対なんか奢らせるッ!!




重い足どりで、やっと家の門に手をかけた瞬間、




「健太郎ッ!!!!」





「ち、千春ッ……」



なんでこんなときに千春に会うんだよ……。




弘樹…弘樹があんな話するから顔合わせられない。千春から目をそらし、おもむろに電柱やら、そのへんを歩いているネコやらを見ていた。そのとき、千春の口が開いた。





千春は上目づかいをしながら、首をかしげていた。


「健太郎にぃ、お願いがあるのぉ。聞いてくれるぅ??」




「お、お前なぁ……」




今のでだいぶ疲れが増した。
そして嫌な予感……。
千春はいつもそうだ。なんか無理難題を押し付けてくる予兆なんだ。



「ちょっと部屋来て。ここじゃ…話しにくいし……」





少し見せた千春の女の子らしい顔に、不覚にもドキッとさせられた僕は、しぶしぶ千春についていった。