「また、失恋かぁ…。」


僕はほんとに失恋ばっかりだ…。告ると百発百中といってもいいぐらい、フラれる。神様、僕に幸せをくださーい




みゃあ、みゃあ



目の前の猫だって、彼氏彼女がいるのに……
なんで、僕には彼女がいない?



僕は急に立ち上がって、





「僕に彼女をくださー……いたッ!!!!」



「あ、ごめん。あまりにもキモイから、つい」


ケロッとした顔をしてこんなことを言うこの子は、僕の幼なじみの、町田千春。昔からこんな感じで、まさに僕たちの間には、主従関係が生じている。


千春は、道場の娘で、そこらの男より強い。おかげで、僕はサンドバック……
まぁもうこんなことも慣れたもんで、痛みをそんなに感じなくなってる自分がやけに虚しい……





「千春は、こんなとこで何してるの?」



「木蹴ってたの。学校にいるとはいえ、鍛練は怠れないからね」





僕はまたまた血の気がひいた。お願いだから、僕はともかく、いつ他人に危害を加えるかと思うと、気が気ではなかった。