「お前ら、ふざけんなよっ!!!」


まぁくんの怒鳴り声に、耳を塞いでいた百合は、立ち上がって、教室をのぞいた。


すると、見たこともないような怒った顔で、一人の男子のむなぐらをつかんで叫ぶまぁくんがいた。



「百合はなぁ、そんな女じゃねぇんだよっ!!噂だけで、俺の好きな女を侮辱すんじゃねぇよっ!!」




「…んだよッ、急にッ!!」



相手の男子が振り払った衝撃で、まぁくんは机に身体をぶつけて倒れた。






まぁくん…ッ!!




「…百合は俺みたいなやつに優しくしてくれた。周りがどう言おうと、俺にとっては……天使なんだ!!」


また、まぁくんはむなぐらをさっきよりも、強く持って、




「てめぇらに、百合をどーのこーの言う資格なんてねぇんだよっ!!」


「まぁくん、もうやめてっ!!!」



勢いをつけ、掴みかかるまぁくんに抱きつく。




弾かれたように、まぁくんは抱き着く百合を見下ろした。







「もう、いいの…。まぁくんが分かってくれてるなら、百合は周りの人が何言ってたって平気だもん」


「百合……」







「てめぇら、イチャこいてんじゃねぇよっ!!」








殴りかかってきた拳を、まぁくんは受け止めて、
潰す勢いで握りながら、


「今なぁ、いいとこなんだよ。これ以上なんかあんのかっ!?」



さすがにまぁくんのマジギレの顔に恐れをなしたのか、男子たちは逃げるようにして、教室を出ていった。