「桃ちゃん、来たよぉ!!」





かずがいつもの調子で抱き着いてきたが、もちろんいつものように、止めてやった。



ちぇっ、というかずはさておき、私にはどうしても聞きたいことがあった。







「ねぇ、かず…。バイト先にさ、丸顔で目のくりくりした女の子いたりする…??」









「ん〜…っ、あっ!!!重竹さんだっ!!!その子がどうかした??」









「その子に……、私との関係聞かれたりとかした??」





「へ??なんで??知ってるわけないよぉ!!どうしたの-、桃ちゃん??」







こいつも覚えてないんかい。
まぁ、かずはいいや。
話すのも面倒だし、かずに何も言ってきてないなら、大丈夫だろう。





私はほっとして、そのままベッドに転がった。




「あっ…、まさか桃ちゃん……。」






かずが両手で口元を押さえ、赤い顔をするから、何事かと思い、慌ててベッドから起き上がった。









「ヤキモチ……やいてるんだね。」










「……はぁ??」










「大丈夫っ!!僕には桃ちゃんだけだからっ!!!たとえ、何億何千の人が僕に迫ってきても、僕は桃ちゃんだけを愛しっ、ぐほっ!!!」








私はナイスな一発をかずの腹に決め、爽快な気持ちでまたベッドに倒れ込む。




大丈夫か。安心しておこう。
とりあえず、かずに何もないなら、きっと大丈夫だから……。