「かず…、あんたそこに座んなさいっ!!」



「なんで怒ってんのさぁ~」


かずは不満そうに頬を膨らましている。
…だが、今日はその可愛さに
騙されたりはしない。


「分ってるの!?ファンの子に見られたの!!
マズイじゃない!?」


かずはすっかり正座を崩して、
片足を立てて座っていた。


「ファンの子でしょ??桃ちゃんのことを
好きな子なんだし、桃ちゃんが不利に
なること、言ったりしないでしょ。」



「分んないじゃない!!それこそ、
さっきみたいなこと、もしバラされたら、
週刊誌のいいエサなんだからっ!!」


「だぁいじょぉぶだってっ!!
それよりもー…。」





「??」



かずが私を見つけ、獲物を見つけた
オオカミのような目で見てきた。



「週刊誌が恥ずかしくて
載せられないようなことでも
するーっ!!??」



ぼこっ




ノビたかずをしり目に、
私は本気で悩んでた。
かずが言うことも
一理ある。

確かにファンなら、
私が芸能界から
いなくなるようなことは
言わないだろう。

でも、ファンにも種類がある…。
危険じゃないものか…、
はたまた、



―――危険なものか……。