「でもね、後悔したくないの。好きな気持ち押し殺す環境なら、私は…いらない。猛と結ばれるなら、どこへだっていくっ!!ずっと…待ってたの。猛に好きって伝える今日を……。」












「真知子…、飛行機、もうすぐでるんだ。」











「あっ………。」












「あっちに着いて、仕事三昧で忙しくなる。そうだな……、真知子が大学を卒業する年がいいかな。」











「??」












「俺、待ってるから。」












「……え??」












「待ってるから、必ず…来いよ。そんときに、返事でもなんでも、聞かせてやるよ。」












「……分かった、必ずっ、必ず行くからっ!!!絶対待っててよっ!!!」












空港に二重で響く真知子の声。俺は周りを見渡した。空港の2階、真知子が俺を見て、話している。











俺は電話を切り、真知子を見た。真知子は、ただただ微笑んで、何かを言った。
俺はそれが、いってらっしゃい、だったと思う。












飛行機に乗り込み、飛行機は意外とすぐフランスに着いた。












明日から、全てが新しい。そして、何かが昔とは違う。
俺は手をかざして、太陽を見る。俺には真知子がいる。
手を力なく下ろし、俺は予約済みのアパートまで、軽い足どりで歩き始めた。