「え…、なんて……??」













たけ兄は気まずそぉにもう一度言った。
声は小さめだったが、そこには確かな意志を感じた。














「俺……、家出るわ。」














うそ……。なんで……???私が想いを伝えても、たけ兄は、家を出るなんて…一言も言わなかったのに……。











私は食べる手を止め、たけ兄を直視した。たけ兄はその視線に気付いたが、わざとそらした。












「あら、そうなの??寂しくなるわぁ。何かしたいことがあるの??」







母が喜んだ顔で聞く。けど、私の耳には何も聞こえてこない。












たけ兄が、私から離れていく。












想いが伝わらなくてもいい。でも、せめて、そばにはいてほしいよ…。












お兄ちゃんだもの……。