言った。












言ってしまった。












先生はじっとこっちを見ている。きっと…、私の気持ちにも気付いただろう。











胸の高鳴りが…止まらない。













先生はさっと立ち上がって、奥の部屋に入っていった。













先生…逃げたの??私の気持ちには、やっぱり…答えられないの…??














「咲子。」







「え??」










私は驚いた顔で、目の前にいる先生の顔を見た。
そして、私の左の薬指にモールを巻いた。














「これ、仮な。咲子が大人になって、まだ先生のことを想ってくれていたら、そのときは本物あげるから。」














「…ほんとに??」













「約束する。」












そして、先生は塾を閉め、私が知らないどこかへ行ってしまった。












でも…、また会える。先生は私の薬指に約束してくれた。













「いつまでも…、待ってます。」