「先生…。」




「おう、咲子。今日は塾の日じゃないだろ。どうしたんだ??」












「私…、今日のテスト満点だったよ。」





「おっ、じゃあ『ご褒美』やらなきゃな。何がいい??」












先生はちらちらと、片付け途中の段ボールを気にしていた。本当に…今日で閉めるんだね。












「指輪がいい。」





「指輪…??」






先生が少しびっくりした顔をしたが、すぐ元の笑顔に戻った。











「もう、年頃だもんなあ。…最後だし、ふんぱつするかっ!!どんなのがいい??」







先生は腰に手をあてて、私に向き直った。
この先生を見るのも…、今日が最後。












「…ペアリング。」












「先生と私のペアリングがいいっ!!」