翔太先生の持つ塾は個人経営のちっさな塾だった。






近くに大手の塾がたくさんできるようになってから、先生は私たちの前では見せないけど、すっごく落ち込んでいた。












「先生??」







「どおした、咲子??まだ帰らないのか〜??」





先生の頬は少しこけて、くまもでき、病人のようになっていた。








「塾…、なくなっちゃうの??皆言ってるよ。もうすぐ塾なくなって、先生もいなくなっちゃうって…。」












先生は一瞬固まった。その一瞬が長く感じられた。でも、先生は笑顔を絶やさず、こちらを向いて、









「そんなわけないだろ??大丈夫、塾もなくならないし、先生もいなくなっりしないよ。」










先生の無理した笑顔、私はなんだか忘れられなくて、心が痛んだんだ。