それは、優璃が今までの人生で一度も見た事のない月だった。 三日月じゃない。 満月だった。 丸い丸い満月だった。 どこも欠けてない、きれいな黄色に染まった満月だった。 優璃は声が出ないほど驚いた。 涙が出そうだった。 それほどきれいで、たまらなかった。