見れば見るほど、その大男は醜悪な姿だった。

土気色の肌。

瞳孔の開いたままの眼球は、動いているにもかかわらず、既に生命活動が終わっている事を意味している。

その身から漂うのは腐臭。

肉体が腐敗し始めている確かな証拠。

つまり目の前に立っているのは、医学的には『死体』。

なのに何で動いていられるのかは、私には皆目見当もつかなかった。

ただ一つ。

この大男がゾンビとかの非科学的な存在でないと確信できるのは…。