「い…」

戦慄が、背中を駆け抜ける!

「いやぁぁあぁぁあぁぁあぁぁぁっ!!」

思わず上げる悲鳴。

それに刺激されたのか、大男も立ち上がり、私に向かって咆哮を上げる!

ウオォォオオォオオォオォォォ…!

それは前に聞こえてきた咆哮と同じ。

地獄の底から響いてくるような雄叫び。

人の姿でありながら、まるで言語を知らないかのような原始的な咆哮。

野蛮な原人の如く、その大男は目を剥いて私を睨んだ。