ペンライトで照らしながら慎重に進むうちに、地下病棟二つ目の部屋が見えてきた。

天井のプレートには『診察室』とある。

…恐る恐る、室内を照らしてみる。

机と椅子。

患者が座る為の丸椅子に、簡易ベッド。

事務棚には医学書や専門書などがおさめられたまま、この部屋の時間は停止していた。

他の場所同様、ここにも床に埃が積もっている。

足を踏み入れると足跡がくっきり残ってしまうほどの埃の量だ。

部屋の隅々まで確認してみるものの、ここから外へと繋がるような出口は当然ながら見つからない。

…更に奥へと進むしかないか。

私は診察室を出ようとして。

「!」

床の上で、何かがライトの光を反射したのに気づいた。