ペンライトで外来受付の中を照らす。

部屋の中には、古いカルテらしき書類が散らばり、事務机や椅子がひっくり返っていた。

荒れ放題といった印象を受ける。

そんな部屋の壁。

「ひっ!?」

私は予想だにしなかったものを見つけて戦慄する。

…赤黒い染み。

壁一面に飛び散ったような赤黒い染みが、べったりと付着していた。

私も看護師だ。

これが何なのかは理解できる。

血液。

血液が乾き、時間が経過すると、真紅から赤黒い色へと変化するのを、私は知っていた。