階段を下り続ける事約5分。

やっと階段の終点が見えてきた。

足を踏み下ろした先には、廊下が続いていた。

コンクリート剥き出しの廊下。

病棟という感じはしない。

ペンライトで周囲を照らしてみる。

…長い廊下が続き、所々に部屋の入り口が見えた。

ここが地下病棟。

昔、何らかの実験や研究が行われていたという場所…。

静寂に包まれた病棟内には当然の如く私しかいないらしく、無意識のうちに私は息を殺してしまっていた。

暗闇と、不安を感じてしまうほどの静けさ。

心臓の鼓動が、僅かに早まっていた。