慌てて階段を駆け上がるものの、時既に遅し。

嫌な予感は現実のものとなっていた。

院内へ戻る鉄扉。

その扉が完全に閉ざされてしまっている…!

「ちょっと!誰か!誰か来て下さい!ねぇ!」

扉を叩き、大声で叫ぶ。

しかし扉は私が思っていた以上に分厚く、防音効果もしっかりしているようだった。

声も、扉を叩く音も、外へは届かない。

更には。

「勘弁してよ…」

顔が青ざめる。

ご丁寧に、扉には南京錠もかけられていた。

もうこちら側からは開ける事ができない。

開かずの扉は、私を中に閉じ込めたまま再び開かなくなってしまったのだ。